自然素材の家のつくりかた
自然素材で仕上げれば「健康住宅」 の誤り
住宅で多用されるようになった合板や壁紙等に大量に使われる揮発性の化学物質(主に接着剤)が原因とされるシックハウス問題が社会問題化した頃から、それらを使わない昔ながらの家づくり、自然素材による家づくりがもてはやされました。
弊社の地元(鶴ヶ島市・坂戸市等川越エリア)ではどこもやっていなかった「自然素材による注文住宅」にいち早く取組み、10年もすると続々と自然素材を謳う業者さんが地元にも増えました。当時「健康住宅」として自然素材を売りにしているときは全く疑っていませんでしたが、他社も自然素材による家づくりに取組み始めた頃、これが本当に「健康住宅なのか?」と疑問も抱くようになっていたのです。
それは何故か?
真夏、汗だくになるトイレ。汗だくで眠りも浅い。真冬、凍えるほどに寒く布団から出るのが辛い部屋。肌や唇は乾燥するし、足も痙る。静電気もひどい。健康とはほど遠い環境のような気がしたのです。暑すぎる・・・寒すぎる・・・
暑すぎて、寒すぎて、ヒートショックや熱中症で死者が出るような家が果たして「健康住宅」なのか?日本の家づくり、自分たち自身の家づくりに疑問があったのです。
日本の普通の家は、自然素材で造るだけでは決して「健康住宅」にはならないことに気づいたのです。
暑さ寒さのない家:健康住宅の大前提
シックハウスのような、健康被害をもたらす建材の使用をしないのが大前提です。「厚さ・寒さのない家」、冬場15°を下回らない室内温度、夏場28°を越えない室内温度、これも健康住宅の大前提です。
今でこそ様々なパイプがつながり、世界の国々の住宅事情や様々な情報が入るようになりました。イギリスでは冬に19°を下回る賃貸の物件では「改修命令」が出るそうです。
暑さ・寒さから解放されたら、次に自然素材による内装仕上げとするのが正しい「健康住宅のつくり方」だと思います。自然素材には数多くのメリットがあり、デメリットとの差引を加味しても可能ならできる限り自然素材の内装仕上げをすると、信じられないくらい快適に、今までの健康状態まで改善する程の効果が期待できます。
「暑さ・寒さのない家」ができたら自然素材の内装がオススメ
内装仕上こそ、生活する家族の肌が直接触れ空気も直接触れるもの。呼吸を通して身体に取り込まれる空気は1日で20kg、お弁当のタッパーの中に少しでも薬品が入っていたら、その臭いでお弁当は全部食べられなくなるでしょう。今の普通の家は化学薬品だらけです。しかも気密性が高い、これって危険だと思いませんか?
みんなが健康で楽しく暮らせる家。これって幸せな家の基本ですよね。
今の普通=合板のフローリングにビニールクロス、空気汚染の家→とても深呼吸できる落ちついた家にはならないでしょう。
だからいい家は自然素材や無垢の木を使います。普通の住宅に比べ倍以上長持ち、本物の美しさが時間とともに楽しめ、親子2代3代にも引継げる家です。
「健康にいい家と、そうではないと家とどちらに住みたいですか?」
家族の為にも、本物というステージ(家)を用意してあげることが、生涯残る幸せの息吹を閉じ込めておける秘訣ではないでしょうか。
自然素材の内装の優先順位:床→壁→天井
- 無垢のフローリング:自然素材の内装仕上げの最初は床材。人は生きている間の57%室内空気を、そのうち70%が床からの空気を吸うそうです。まずは床材を自然素材に変えて、安全な空気に変えましょう。現在、ニーズが多いこともあり無垢のフローリングは偽物の合板フローリングと価格差のないものも出ております。色や板目で選ばれてしまうかもしれませんが、床材は無垢のフローリングにした方が、圧倒的に快適に過ごせますし健康にも寄与することでしょう。無垢のフローリングには、吸湿作用(べたべたしにくい)、化学物質がない、自然界の自然なものという目への優しさ、心地よさは、偽物の人工物とは別世界の癒やしを与えてくれます。
- 珪藻土の塗り壁:なんといっても調湿作用に格段に優れた「珪藻土」がオススメです。漆喰やそとん壁、板等他にも自然素材の壁仕上げはありますが、”快適な室内空間は湿度次第”といえるほど、夏は湿度を10%抑えるだけ(通常70~80%)、冬は10%増えるだけ(通常30~40%)で室内環境が大きく変わります。それを加湿器や除湿器といった人工的な力ではなく自然のもつ調湿力で部屋の湿度を調整してくれます。その能力が格段に優れているのが「珪藻土」なのです。漆喰には漆喰の、そとんにはそとんのそれなりの魅力がありますが、快適な室内環境という点では「珪藻土」が圧倒的に有利です。
- エコカラット:タイルなので高価ですが、性能は珪藻土以上。アクセントに使うと室内が優雅に華やかになります。使い方の工夫でインテリアの大きな要素にもなる優れものです。