エネルギー計算の前に
これから家で使うエネルギーについて学んでいきますが、まず、比較検討をするための土台として、エネルギーの量を量るものさしを決めないといけません。
まず日本で求める答えは、①「冬季の室温を20℃、夏季の室温を28℃に維持するのに必要なエネルギー量」です。それらは暖房エネルギー、冷房エネルギーですが、さらに給湯エネルギー、調理エネルギー、照明エネルギー、換気エネルギー等を検討します。
ところが、それらのエネルギーには、電気(kWh)、ガス(㎥)、灯油(L:リットル)、薪(kg)等があります。また、それぞれ切り出したとき(つくったとき)必要なエネルギー、移動に必要なエネルギー、そして実際に使うエネルギーとどんどん減っていきます。そこで、
必要エネルギーとは?
建物の省エネ性能、室内を快適に保つために必要なエネルギー量。暖房・冷房、照明、給湯、換気等①の部分。
最終消費エネルギーとは?
建物の断熱・気密性能が高まれば、暖房・冷房に必要なエネルギー量は減りますし、LED照明にすれば消費電力が減ります。給湯もヒートポンプ(空気の熱を奪う仕組み)を使う高効率機器を使用すれば必要エネルギーは減ります。このエネルギーをどれだけ減らせるかがとっても大切です。
ネットゼロエネルギーハウスが提唱されたとき、この最終消費エネルギーにのみ焦点が当てられ、造るエネルギーと使うエネルギーの相殺が0であればいいと言うことで、太陽光発電を15kWhも搭載してネットゼロと認定され、大きな違和感を覚えました。翌年度からはどれだけ最終消費エネルギーを減らせるかに焦点が変わったのは言うまでもありません。
一次消費エネルギーとは?
たとえば電気を家で使うとき、その電気は発電所でつくられ、輸送によりロスが生じてやっと家で使えます。家で使うエネルギーを1とすると、発電所では2.7もエネルギーが必要になります。それぞれ灯油だってガスだって輸送にエネルギーが必要です。そういったものをひっくるめて、
発掘・輸送・消費するまでに要した全エネルギー量を「一次消費エネルギー」といいます。
建物の断熱性能を上げ必要エネルギー量を小さくし、設備機器の高効率化を図り、LED照明や低消費エネルギーの換気設備機器を採用し、最終消費エネルギーを小さくします。そしてエネルギーミックスにより一次消費エネルギー量を下げて、CO2削減に取組む仕組みです。
日本の低炭素認定基準もこの「一次消費エネルギー量」が基準となっています。
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