, ,

100年・200年住宅

tyouki13

日本の住宅の平均寿命は平均30年

日本では、一部の豪農や武家等の屋敷を除いて、一般庶民の、長屋を含む家は、古来から永く保たすというよりは、壊れても簡単に直せる、建てられるという側にありました。大地震や火災は日常茶飯事で、天災に立ち向かうというよりは、天災を受け入れる側に立っていたからといわれています。地震にはどうしても家を軽くしなければいけないので、木造住宅の歴史が育まれてきました。
一方、地震のない欧米は少し違って、家を石造りやレンガ造りという素材そのものが何千年何万年もつ素材で頑丈に造られてきたので、水に濡れようが雨漏りしようが腐ったりすることがなく家は永く保っています。
結果、平均すると、日本の家は築30年前後で取り壊し、イギリスでは77年、アメリカでは55年で取り壊します。上記のような事情や、戦後の焼け野原からの復興で、だれもが家を少しでも早く求めたことから早く・安く・簡単に!が求められた事情等は諸外国と単純に比較は出来ませんが、圧倒的に日本の住宅の寿命が短いことだけは確かです。
そういったことから、日本では1981年以降に建てられた住宅が6割以上も占める一方、1950年以前に建てられた住宅は5%以下となっているそうです。欧米、特にイギリスでは、1950年以前に建てられた住宅が4割を超えるなど、家が長期にわたって活用されています。

解体される建物の平均築後年数の国際比較

tyouki01

建築年代別住宅ストックの国際比較

tyouki02

何故日本の家は長持ちしないのでしょう?

tyouki03

新築志向

私たちのほとんどが、家を購入するなら新築がイイと考えています。なんと新築希望者は住宅取得希望者の8割を超えるそうです。間取りがデザインが自由に選べるとか、やっぱり新しもの好きの国民性だから、中古は品質が悪いからとか理由は様々です。中古住宅にニーズがないのだから、既存の建物を長持ちさせるよりも、新築に全体がシフトしていたといえるでしょう。

生活水準の向上による家の更新

戦前までは江戸時代、鎌倉時代とそれほど生活様式は変わっていません。水道もない電気もないガスもないというのが当たり前の時代です。ところが戦後の社会は生活様式がめまぐるしく変化し、空調や給湯などの設備や、ドア・サッシなどの建具、建材はめざましく進化しました。
また、豊かでゆとりのある生活への欲求が高まり、居住面積が欧米並みに時代と共に拡大してきたことや、世帯人数の変化や子どもの成長といったライフステージの変化に応じて、広さの確保や間取りの変更といったニーズが発生し、それらに対応する必要も生まれました。
それらのことから、ニーズに対応できない住宅は取り壊し、ニーズに合った家を新築することにより変化に対応してきたのです。

経済成長の過程では新築が主流

戦後の日本では、人口増加、都市化、経済成長が続く社会経済状況で「土地神話」といわれる地価の右肩上がりの時代が続きました。
そんな時代には、所得も年々増える状況ですから、早く新築住宅をかって住宅スゴロクをあがった方が良かったといえます。
また都市部では、平野の少ない日本の国土事情によって、土地の高度利用が求められ、まだ使える住宅も取り壊され、より利用価値の高い高層ビルなどへと変化していきました。

「つくっては壊す」から「長持ちさせる」

tyouki04

成熟社会では永く使うのが当たり前

人口減、世帯減となり「家余り」の時代に入った成熟社会では、これまでのような不動産のあり方は難しくなります。利用価値のある家を永く使うことが求められる時代に入りつつあります。また、投資した資本が、長持ちしないで早々に解体されゴミになったのでは、経済的に見ても、地球環境から見ても持続可能な社会(サスティナブルな社会)にはなりません。
これからの日本では、住宅の長寿命化への取組みを加速させなければいけないのです。

家は長持ちさせると、家にかかるお金の負担が減る

家を長持ちさせるためには、相応のメンテナンス費用が必要になりますが、世代を超えて利用できれば、一世代当たりの住居費負担はとっても少なく出来ます。
その減った分で、より豊かで快適な暮らしを実現する、趣味、教育、福祉、余暇などに充てることが出来、それこそが欧米との生活の豊かさの違いといえます。
家を長持ちさせることで生まれる「ゆとり」は成熟社会にふさわしい豊かさを実感できる社会を実現します。

住宅ローン返済世帯の実収入に占める住居費負担

tyouki05

家を長持ちさせると資産になる

資産としての住宅

今では、住宅ローンを返済し終えたときは、家の資産評価がゼロになってしまっているといわれるほど「住宅=負債」のイメージがついてしまいました。世代を超えて利用し続けることが出来、家が本来もつ価値に見合った評価がされるようになれば、「住宅=資産」と変わっていきます。家を将来的に売ったり、貸したりすることなどが出来るようになることが、成熟社会といえます。
tyouki06

住宅の選択肢の多様化

欧米は、狩猟を中心とした、必要なときに必要なところへヤドカリのように住み替える「移住の文化」で、日本は家族・親族を中心として村を形成し、田畑を耕す農耕民族の「定住文化」が育まれてきました。なので欧米では、良質な住宅ストックが社会資産として蓄積され、住み替えなどを予定する住まい手と、その住まい手にふさわしい住宅とをマッチングする仕組みが整えられています。
しかし日本でも近年は、生まれ育った街を離れ、欧米のような移住型のライフスタイルを選択される方も増えてきました。これからは、住まい手の選択肢が多様となって、たくさんの選択肢からニーズを満たす住宅を選べるようになっていきます。

家を長持ちさせると、環境負荷が低減する

tyouki07


地球環境問題は、社会や人類の持続可能性を脅かす重大な問題です。
日本のCO2排出量は増加傾向に有り、特に住宅・建築物部門における排出量は全体の約1/3を占め、現在も増加を続けています。
また、産業廃棄物については、住宅の解体から大量に発生しています。
このため、住宅がまだ利用できるにもかかわらず、居住者の都合や社会情勢によって取り壊されているという無駄を止め、きちんと手入れをしながら長く大切に使っていく「持続可能社会」へ転換していくことが求められています。
環境負荷を低減していくことは、私たちみんなが将来の世代に対して負っている責任です。

建設産業関連の廃棄物排出量

tyouki08

部門別CO2排出量構成比

tyouki09

家を長持ちさせるには、良質な家を建てなければいけない

tyouki10


良質な住宅ストックになる家は、建築時からメンテナンス段階まで見据えた長期的な視点にたち、将来的に資産として活用されることを前提としなければいけません。
みんなが「住宅」や「住生活」に目を向け、より快適な暮らしを追求しつつ、きちんと手入れしながら住み繋いでいく意識を持って出来ることから取組んでいくことが大切です。
家を長持ちさせるには、構造躯対そのものを上部につくる(耐久性・耐震性)、設備配管を躯体に埋込まないことや点検口を確保するといった簡便にメンテナンスすることが出来る(維持管理性)ように設計を工夫しておくことが必要になります。
将来の住み替えや次世代へ住み継いでいく事を考え、住宅がリフォームしやすくなっていたり、将来においても流通しにくくならない住宅にしておくなども大切です。
既存住宅の大規模なリフォームを行う場合などにも同様の工夫が必要です。

長持ち住宅は、計画的に維持管理することが必要

計画的に点検、補修、交換する

tyouki11


家を長持ちさせるには、計画的に点検を行い、補修や交換をしたり、リフォームなどを行い住宅の価値を維持・向上させることが求められます。また、災害後は速やかに点検を行い、安全を確認するとともに、必要に応じて補修をしておくことが重要です。
建築時の設計図書と一緒に、どのように維持管理されてきたかという記録を残すことで、補修・交換やリフォームが適切で合理的になされるとともに、住宅の情報が明らかになることで、売買や賃貸の際に、住宅の価値が適切に評価されることが期待されます。
tyouki12
button01button02button03button04button05button09button06button07button08