全館冷暖房した場合の経済性能
私たちの子ども達のために本来自発的に高性能な建物を建てCO2削減に取組んでいかなければいけないところですが、そこはやはり経済的なメリットがないとなかなか実行に移せないもの。そんな、経済的な指標を示すためにエネルギーパスは始まったといってもいいでしょう。建設費と光熱費と総トータルで考えると、高性能な建物を建てた方が絶対お得だし、現在の世界では、高性能な建物しか新築は認めなくなってきています。
建設コストにこの経済性能を足し合わせ、実生活での総額を算出し、比較が出来るようになります。当初20年間を試算してみるとおもしろいかもしれません。建設費を20年間、月々で負担するものとして分割してみます。例えば建設費が2500万円なら、2500(万円)÷20(年間)=125万円/年間、それを月々にすると、÷12(月々)=104,167円/月 となります。
1㎡あたりの消費エネルギーの比較(売電含まず)
全館暖冷房:住宅全体を24時間、冬季は20℃以上、夏季は27℃以下に維持して年間を通じて室内環境を健康で快適な状態で維持する空調方式。必要エネルギーの多い住宅では、熱や冷気が住宅外に逃げやすいため、全館暖冷房では効率が悪く、光熱費が莫大にかかってしまいます。なお、必要エネルギーが少ない住宅では、熱や冷気が外部に逃げにくいため、全館暖冷房でも光熱費を低く抑える事が出来ます。
日本人の感覚として全館冷暖房している家庭はほとんどないと思います。実際の光熱費は間欠冷暖房のページを参考にした方がいいと思いますが、こちらで表の見方等を全てご説明致します。
グラフ8は、使用する設備機器の性能を加味した(最終)消費エネルギーが、同じ設備機器を使ったものとして次世代省エネ基準の建物の場合と比較されています。
表6には、予め設定したエネルギー別の単価と消費量が計算されて、予想燃費(円)が算出されています。電気・ガス・灯油の単価をそれぞれ設定します。
太陽光発電などの売電を含んだ光熱費予測
グラフ9は、それぞれの項目別の消費エネルギー量を縦棒グラフで、太陽光発電量を棒グラフで表わしています。ここは上記の1㎡あたりの消費エネルギーの比較に売電価格を加えたものとなっています。同じ建物の断熱性能(外皮)が次世代省エネルギー基準だった場合との比較も算出されています。
全館冷暖房 環境性能
CO2削減の問題に立ち返りましょう。再確認です。
134億tの二酸化炭素排出量を、 30 年以内に減らす必要があるのです。
そして、2030年には新築住宅のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)が義務づけられる予定です。
1㎡あたりのCO2排出量の比較(売電含まず)
それでは、このケースは④既存住宅からみていきましょう。90%を占める既存住宅から排出される二酸化炭素量が減ればCO2をたくさん減らせるのです。
太陽光発電などの売電を含んだCO2排出量予測
難しい言葉が出てきました。
一次エネルギー:設備効率を含めた「最終消費エネルギー」で使用される電気やガスなどの燃料を、獲得から発電や輸送といったプロセスを含めて評価したエネルギー量、地球環境へ与える負荷を表現した数値です。例として、一般に供給される電力による暖房は、燃料を電力に変えて送電、さらに熱に変換するというプロセスを歩むことから、途中で失われるエネルギーが多く、地球全体でのエネルギー効率が悪くなるために「一次エネルギー」は多くなります。
ここは結論的に、①世界標準の住ま居るの家と④既存住宅の比較をしてみます。
1㎡あたりのCO2排出量の比較(売電含まず)
表9の見方です。左の欄から、消費エネルギーが各エネルギー別(電気・ガス・灯油・木材(薪)・自家消費・売電)に表示されるようになっております。消費エネルギーは、経済性能で算出された数値がそのまま転記されています。そして単位変換(GJ)とあって、電気が1kWhが0.0036GJ、ガス1㎥が0.1005GJ、灯油1Lが0.037GJと変換単位が記載されています。ここら辺の詳しいことは、電気・ガス・灯油・(薪)の熱量と料金(価格)を知る のページをご覧下さい。
そして一次エネ変換係数とは、電気以外は1ですが、電気は造るときと送電するときにエネルギーロスが生じるので、消費するときのエネルギーが1なら、その1を使うために2.71のエネルギーが必要なので、一次エネルギー換算するときに2.71倍します。
一次エネ(GJ)は上記を計算した数値ですが、計算結果の小数点第2位を四捨五入しています。
- 電気:33,060×0.0036×2.71=322.53 =322.5
- ガス:265×0.1005×1=26.6325 プロパンガスは1㎥=24856kcal=0.1040671=0.1005
CO2排出係数は、固定数字だと思って下さい。一次エネ(GJ)にCO2排出係数を掛けるとCO2排出量が出てきます。
- 電気:(消費エネルギー)33,060×0.69=22,811.4
- ガス:265×5.940=1574.1
右欄の一次エネ合計は一次エネ(GJ)の合計です。322.5+26.6+0.0+0.0-70.8-30.3=248 なので実数値で計算されています。
同様にCO2排出量は、22,811+1,575+0+0-4,820ー2,061=17,505kg
それを面積で割ると、17,505÷114.7=152.6155・・・kg/㎡aとなります。
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