不都合な真実2
結論から言えば現在の技術や製品を普通に活用すれば欧米並みの断熱性能・省エネ性能を持った住宅が2050年を待つことなく普通に建てることが出来ます。ただ、まだ一般的ではないということです。2014年にYKKさんと三協アルミさんが先駆けて世界に通用するトリプルLOW-Eガラスを採用した樹脂サッシを発売しました。窓の性能を上げれば劇的に家の断熱性能・省エネ化が進むとはご理解頂けていると思いますが、同様に窓の性能が上がらなければ、国際標準には追いつけません。窓を輸入するのではコストがその普及に大きくのしかかってきます。2015年に入りLIXILさんもトリプルガラスを採用した樹脂サッシを発売しましたのでようやく日本でも普及体制が整ってきています。
日本独特の高温多湿の温熱環境や地震に対する備えを前提とした、高性能な省エネ住宅にはそれなりのノウハウが必要ではあります。窓だけではなく「換気」についてや「気密」「断熱」「遮熱」についてのノウハウも普及が進まなければいけません。間違った認識が「常識」のように扱われていることも少なくありません。私たち造り手側の勉強がもっともっと必要です。
しかしそれらのノウハウは欧米を含む世界各国で40年の歴史があるのです。技術革新の時代、40年は十分すぎる時間です。つまりしっかりと学べればすぐ実践できるのです。高すぎるといわれた日本の家もデフレが進み、今では先進国の国々と比べても、どちらかといえば「安く」なっています。性能が低過ぎるので、その性能を対価と加味して世界の国々から「高すぎる」といわれているだけなのです。
グローバリゼーションが進み、あらゆる情報が簡単に手に入り、世界各国にも手軽に行けるようになった現在、コスト・性能とも「衣・食・住」全てが標準化されつつあるのはご存じの通りです。日本国内、必ず皆様のお住まいの地域に「しっかりと勉強し続けている良心的で先進的な建築家・工務店」があるはずです。「そこまでしなくって大丈夫」と大部分の業者さんはおっしゃるかも知れませんが、世界の当たり前に目を向けると「不都合な真実」が見えてきます。何を根拠に省エネ性能について「そこまでしなくて」大丈夫なのか、本当に大丈夫なのか、自ずと答えは見えてくるでしょう。
かつて昭和56年に「新耐震基準」が制定される前、建物は震度5強から6の地震で倒壊しなければよい、震度7クラスの地震が来たら倒壊して当然というのが当たり前でした。ですから「新耐震基準」が始まりますよと決まっていたって、ほぼ全ての建築業者さんはまだ「そこまでしなくって大丈夫」って「新耐震基準」の建物は建てませんでした。ところがどうでしょう、平成27年現在、「新耐震基準」に満たない建物は「要耐震改修」と診断され、「中古市場」では「価値」を失い、フラット35(旧住宅金融公庫)では融資の承認が下りず、所有していれば「危険」と行政からいわれる建物となっているのです。
断熱・省エネ性能が2020年に「義務化される」ということは、そういうことです。最低でも2020年基準、出来れば2030年基準、理想は2050年基準に適合する家づくりをお奨め致します。
20年単位でみる住宅の価格:高性能住宅がやはりお得
例えば延床35坪の、今の普通の日本の新築住宅の性能で注文住宅を建てるとして2000万円かかるとします。2000万円を20年間で月々にすると、2000万円÷20年÷12ヶ月=8.33万円。住宅の省エネ化は光熱費に影響します。その計算をするエネルギーパスという方法によって光熱費を3パターン算出します。
①今の普通の家の日本の新築住宅の性能のものと、②2020年基準で建てた場合と、③2050年基準で建てた場合の3パターンです。細かな計算方法は省きますが、結論から言うと
光熱費の比較
- 今の普通の家の日本の新築住宅の性能の家(320.3kWh/㎡年):401,741円/年=33,479円/月
- 2020年基準で建てた家(242.9kWh/㎡年):263,337円/年=21,945円/月
- 2050年基準で建てた家(119.5kWh/㎡年):187,606円/年=15,634円/月
(括弧内の数字がエネルギーパスで計算された数字です)と計算されます。
2050年基準と比べると
- 今の普通の家の日本の新築住宅の性能の家:17,845円
- 2020年基準で建てた家:6,311円
現在の住宅ローンの金利が0.875%として35年間借りると、2,765円/100万円なので、
17,845円÷2,765円=6.453 つまり 今の普通の家の日本の新築住宅の性能の家に645万円追加でお金を掛けても2050年基準で家を建てた方がお得ということです。普通に勉強されている建築家・工務店さんなら省エネ性能を上げても実はそれほどコストは上がらないということを知っています。かかっても2割増しぐらいでしょうか。ですから2000万円くらいの自然素材等にこだわった注文住宅に400万円を足し2400万円かければ2050年基準の家にすることができます。2000万円の家と2645万円の家が実質同じ支払いになってしまうのだから245万円お得ということですね。しかもお金では表せない、家の中の温度差がなくなる想像以上の快適さの違いがあります。日々の暮らしで豊かな生活はどちらが享受できるかお分かりですよね。
同様に6,311円÷2,765円=2.282 なので 2020年基準で建てた家に228万円追加でお金を掛けても2050年基準で家をたてたほうがお得なのです。
もっというと、上記の計算は現在の光熱費、電気料金・ガス料金を元にしていますので今後間違いなく上昇することを思えば、もっとお金を掛けて2050年基準まで家の性能を高めておいた方がいいことになります。2050年基準まで家の性能を高め、少しの「創エネ設備」太陽光発電等を設置すれば、将来的にエネルギーの心配のいらない家が手にできるのです。
日本の普通の家は世界最低レベル!、世界標準の家、世界で当たり前の家がどんなだか、不都合な真実を知った今あなたがとる行動はただ一つ。「結露しない家」が実現できる、樹脂窓と全熱交換換気を採用している相性の合う建築家・工務店・ハウスメーカーを探して家を建てることです。「結露しない家」は本当の「健康住宅」です。
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